5周年記念!駿河メイ1万字インタビュー「6年目はシングルのベルトを巻きます!」【1】

5周年記念!駿河メイ1万字インタビュー「6年目はシングルのベルトを巻きます!」
5月29日に自身の5周年記念大会「大きなりんごの木の下で」(新宿FACE)を控える駿河メイ。 2012年にさくらえみとともに2人で我闘雲舞をスタートさせたスタッフの石田亜矢子による、メイの1万字インタビューです。

── もうすぐデビュー5周年だけど、デビュー戦の記憶ってある?
メイ:入場の時は覚えていて、まず緊張するからどうしたらいいですか?って里歩さんたちに伺ったら「みんなのことをジャガイモだと思えばいいよ」って言っていただいてちょっと緊張がほぐれたのと、入場してリング中央でメイジャンプをするっていうのが決まってたんですけど、みんなが紙テープを投げてくれるからいいタイミングで飛んでねって教えていただいてたんですけど、緊張し過ぎてかなり早く飛んでしまって(笑)、紙テープを受けている時はもう地上で、どうしたらいいか分かんなくなっている時にバサバサバサバサって(紙テープが飛んできて)目にコツンみたいな。痛っ!って(笑)。紙テープはこんな感じなんだって思った記憶だけ残ってます。

── 試合中の記憶は?
メイ:さくらえみ70kgで、プロレスってこんなに痛いんだって思った記憶が残ってるくらいですかね。痛みは覚えてますけど、自分がどう動いてたかは本当に覚えてないです。

Mei Suruga

── メイちゃんの試合を見てると全然緊張しているように見えなくて、いつも楽しそうっていう印象があるんだけど、今も緊張ってする?
メイ:今も緊張します。たまに、慣れてる市ヶ谷でも、なんか今日無性に緊張するなー、なんでこんなに緊張してるんだろう?とかもありますし。最近だとAZMさんとのハイスピードのタイトルは結構緊張しましたね。

── そうなんだ! ちょっと意外(笑)。あまり緊張しないのかと思ってた。
メイ:入場が好きなので、入場で自分の曲が鳴ってパーって外に出た時に楽しいなっていう気持ちが入って、徐々にペースを戻していく感じです。

── デビューしてすぐに、いきなり他団体に出たよね?
メイ:そうですね。3戦目です。

── しかも急だったんだよね?
メイ:急でしたね。さくらさんが突然ぎっくり腰になっちゃって。さくらさんから早朝に急に「メイちゃん私いま事務所にいるんだけど、コスチュームとシューズ持ってきてくれない?」ってお電話があって、うわ!何事だ!って行って、(事務所の)扉を開けたらさくらさんが横たわられていて、「ごめん。ぎっくり腰になったから今すぐHEAT-UPの高島平大会に向かってほしい」って。しかも、外国人選手2人も招集したから、途中でその選手たちもピックアップをして行ってほしいって言われて、分かりました!って。

── デビュー戦があって、2戦目は市ヶ谷で、次がいきなり他団体(笑)。言われた時どう思った?
メイ:もう行くしかなかった(笑)。

── メイちゃんとメイちゃんが途中でピックアップした2人がガトム連合軍ということで、TAMURAさん相手の3人がけになって、メイちゃんたちが判定勝ちしたんだよね。メイちゃんにとっては初勝利!
メイ:はい! 元々は(さくらさんと)TAMURAさんとのシングルマッチが組まれてたんですけど、それを自分とのシングルに変更するんじゃなくてTAMURAさん×3選手(=3人がけ)になって、2人(=エーリエル・スッナイパー・ニック&E.K.バギー)とは市ヶ谷での繋がりがあったので緊張はしなかったです。逆に朝からバタバタしてのアドレナリンのまま、やっちまうしかない!って感じで勝ちましたね(笑)。

入団するなら我闘雲舞だ!とピンときた

── メイちゃんは元々我闘雲舞の市ヶ谷でのマットの試合の映像を見て我闘雲舞に入ったんだよね? マットでプロレスがしたかったの?
メイ:マットでプロレスしたいって感覚はあまりなかったんですけど、なんていうか、ここでは面白いことが行われてるって感覚で…ピンときたっていう表現が本当に合ってるんですけど。いろんな団体を見たけど、ここがやっぱりなんかしっくりきて。マット(のプロレス)をずっとしてるとも思わなかったので。

Mei Suruga
── じゃあ我闘雲舞には入るけど、マットの大会がメインだとは知らなかったんだ。
メイ:はい、むしろこっちの大会がスペシャルだと思ってたんですよ。普段はリングでしてて、月1とかでマットをやってるのかなって思ってたんです(笑)。

── そしたら逆だったんだ(笑)。
メイ:逆だった(笑)。違いました(笑)。

── さっきのさくらさんの代打の話もそうだけど、デビュー当時から他団体にもいっぱい出てたよね?
メイ:そうですね。1年目が多分一番ピークで、他団体さんに毎週のように出てました。

── 初海外遠征も1年目だよね?
メイ:2カ月目でタイに行きました。

── その時が人生初海外?
メイ:初海外で初飛行機。国内でも乗ったことなかったので空港自体初めてでした。

── そこからこの5年の間に色んな国に行ってるよね?
メイ:タイと香港と中国とイギリス…アメリカとメキシコ、あとシンガポール。

── そんなに世界を飛び回る活躍をするなんて想像してた?
メイ:してなかったです。タイは行くだろうなーぐらい。

── お客さんの反応とか試合の時の雰囲気とかは国によって違う?
メイ:そうですね。アジアは日本以外だとプロレスの開催が少ないので、1つの大会に選手も懸けてるし、お客さんも本当にお祭りみたいで、ワールドカップぐらいの気分で観に来てくださってるので熱気があってすごい楽しいし、イギリスやアメリカでは、自分たちはトーナメントに参加することが多かったんですけど、プロレス好きがちゃんと集まってる大会だから、選手を迎えようっていうウェルカム精神が強いなって思いました。アウェイにするんじゃなくて、日本から来てくれてありがとう!みたいなのがまず最初にあって、そこからは自分の実力次第というか。

── 日本で初めての団体に行く時とはまた違う?
メイ:違いますね。海外だとお客さんの反応がすごいのでそっちを意識してアピールする時があるんですけど、他団体では先輩と当たることが多かったので、まずは先輩に集中して、それをお客さんに見てもらうみたいなイメージがありました。でも、自分のスタイルを押し通すというのはどこでも変わらなかったかなと思います。

配信の向こうにいるお客さんの声が感じ取れる

── デビューして2年経たないぐらいの時にコロナで一旦試合が全部中止になって、チョコプロが始まったじゃない? 同じ市ヶ谷だけど、お客さんが一人もいないところで試合をするっていうのはどうだった?
メイ:体感的には違和感はなくて。普段から距離が近いじゃないですか、市ヶ谷のお客さんって。それが目の前には見えなくなってるんですけど、ライブチャットがあったので、お客さんも市ヶ谷のテンションのままチャットにいらっしゃるし海外からのコメントも面白いので、そんなに違和感はなかったですね。

── でも、配信のカメラを担当しているときはコメントがいっぱい来てるなとか、今何人観てくれてるなとか分かるけど、試合してる時は分からないじゃない?
メイ:いや、分かるんですよ、それが(笑)。不思議なんですけど。回数を重ねたらチャットが見えてくるんですよね。今イエーイ!って言ってるんだろうなって感じ取れて。それがあるから多分、観てる人も違和感なくいつも通りの自分たちだなって思ってくれてたと思います。

── 普段の市ヶ谷での試合と、1万人規模の大きな会場での試合って、やっぱり気持ち的に違う?
メイ:最初は不安だったんです。普段は世界一小さいと言われている会場でやっていて大きい会場で客観的に観た自分を知らないので、もしかしたら動きが縮こまってるんじゃないかとか、大きい会場で届けられる自信はないかもとか。でもやってみると、市ヶ谷でやってたからこそ、どこの会場でも同じように振る舞えるということが大きいなって思いました。いつもゼロ距離で人の体温を感じてるからこそ、大きい会場でもお客さんの反応を感じ取りやすいというのもあるし。あとは単純に視野が広くなったっていうくらいの感覚ですかね。遠くを見渡せるとか、大きく会場使っていいんだとか、市ヶ谷でやってることがむしろ自信に繋がったと思います。

Mei Suruga

── 大きい会場ではすごい映えるもんね。メイちゃんの動きって。
メイ:リングで見たら大きく感じるって言われることが多くて、実際会ったら、「え? ちっちゃくない?」って言われるので(笑)。だからハツラツとできているのかなと思います。

── 今まで色々やってきた中で、一番好きな会場ってどこ?
メイ:えー!! 一番好きな会場…一番好きな会場…今巡らせてます(笑)。(しばらく悩んで)海外だと、今はもうなくなっちゃったんですけどイギリスのレジスタンスギャラリーっていうところがあって、自分が参戦してたEVEが通常興行をそこで行ってたんですけど、大きくなった市ヶ谷みたいな(笑)。海外って結構リングの周りに人が立ってるんですよ。お客さんが全員立ち見で、エプロンに出たらお客さんの手を踏んじゃうぐらいの距離にいるんですけど、それがすごく市ヶ谷らしいなっていう感じでした。壁もリングのすぐ隣にあるから壁も使えて、天井のパイプみたいなところにもぶら下がれるし、もし市ヶ谷が大きくなるならこういうとこなんだろうなーみたいな感じでそこは好きでしたね。日本だとそうですね…王道の後楽園はもちろん夢の場所です。我闘雲舞としても自分としても。他団体さんで出させていただくことは多いんですけど、やっぱり我闘雲舞のみんなで行けるっていう感覚はまだないので、未だに自分の夢の場所としてあって。やっててテンションが上がるのは新宿FACEですね。照明がすごいので写真が映えるっていう(笑)。キラキラして自分がスターに感じるので(笑)。それが好きですね。

── 我闘雲舞で後楽園大会をやった時は里歩ちゃんの10周年興行で、まだメイちゃんはいなかったもんね。
メイ:そうですね。

── じゃあ、次の後楽園大会はメイちゃんの周年興行で。
メイ:やりたいです。そこまで力をつけたいなと思いつつ。頑張りつつ。

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